親のせいで赤っ恥
外壁塗装が始まる日の朝 父親、「恥ずかしいことをするなよ」 母親、「恥ずかしいことって何よ?」 父親、「塗装業者さんに無理なことを言うなよ」 母親、「失礼ね、いつ、私が無理なことを言った?」 父親、「・・・」 私と弟、「・・・」 学校に行くのに家を出る時 弟、「お前は関係ないからな」 弟が話し掛けたのは、うちで飼っている雑種犬。 何のことか分からない犬は、キョトンとしていた。 私、「行ってくるね」 母親、「塗装業者さんが来るから、駐車場のシャッターを開けておいて」 私、「うん、分かった」 シャッターを開けたまま、自転車に乗ると 友達、「シャッターは閉めなくて良いの?」 私、「今日から外壁塗装が始まるの」 友達、「良かったじゃん」 友達にそう言われ複雑な気分になったのは、友達に家の外壁がボロボロと思われていたと、その時知ったから。 友達、「外壁塗装は初めて?」 私、「ううん、小学生の時にもやったと思う」 友達、「小学生の時にやってるなら、前回の塗装から10年も経ってないじゃない」 前回の塗装から10年も経ってないのに、外壁の塗装が剥げてボロボロなのは、外壁塗装代を母親がケチって、安い塗料で塗ってもらったから。 私、「〇〇ちゃん(友達)の家は、いつ外壁塗装をしたの?」 〇〇ちゃん、「うちは塗装をしたことない」 それにしては、外壁がキレイなのは、外壁パネルにお金を掛けているからだろう。 3週間ほどが経ち、業者さんによる外壁塗装がそろそろ終わる頃、両親が言い争った。 父親、「恥ずかしいことするなよ」 母親、「何が恥ずかしいことなの?」 父親、「塗装をする職人さんはプロなんだぞ、タダ働きをさせるなよ」 母親、「余った塗料があったから、犬小屋を塗ってもらっただけでしょ」 父親、「それが恥ずかしいって言うんだよ」 母親、「恥ずかしいなら、貴方がDIYで犬小屋の塗装をすれば良かったのよ」 両親の言い争いを見て、犬は塗装でキレイになった犬小屋に入るのを躊躇った。 友達、「帰るね」 私、「ごめんね」 両親の言い争いを友達に聞かれ、高校生の私は恥ずかしかった。