Browsed by
Month: 2021年11月

私はどうなるの!

私はどうなるの!

兄が結婚をすることになると、両親は喜ぶかと思いきや
母親、「どうするの?」
父親、「困ったな」
母親、「お金無いわよ」
家にお金がないことは、今に始まったことではない。

父親、「保険を解約するか?」
母親、「保険なんて、とっくの昔に解約してるわよ」
父親、「結婚した時に入った保険があるだろ」
母親、「その保険なら、家の塗り替えをした時に解約したじゃない」
私、「・・・(家の塗り替え?いつしたのだろう。私の記憶にない)・・・」
家の塗り替えをした割に、うちの家は塗装が剥げて見っともない。

母親、「結婚となったら、相手の親が家に来るわよ、どうするの?」
父親、「どうする?って何が?」
母親、「うちの家は塗装が剥げて見っともないわよ」
父親、「仕方ないだろ」
母親、「貴方、いつも仕方ないって言うわね」
父親、「仕方ないものは仕方ないんだよ」
この両親のやり取りは、いつものこと。

兄の結婚はどうなるのだろうと思っていると、家の塗り替えをすることになった。
私、「何、考えてるの?」
母親、「何が?」
私、「お金がないのに、どうして家の塗り替えなんてするの?」
母親、「お金がなくても、家の塗り替えはしないといけないの」
私、「どうして?」
母親、「塗り替えは、家を持っている人の義務なの」
私、「今やらなくても良いでしょ?」
母親、「だったら、いつやるの?」
そう言われても答えに困る。なぜなら、この先も我が家に、経済的余裕は無いだろうから。
父親、「なんとかなるよ」

家の塗り替えが終わると、兄の結婚相手の親が我が家に挨拶に来た。
その滞在時間は、たった2時間。
たった2時間のために、親は無理して家の塗り替えをした。
私、「お金は大丈夫なの?」
父親、「借金はしてないから心配するな」
私、「お金はどうしたの?」
父親、「定期貯金を解約した」
私、「うちに、そんなお金があったの?」
父親、「・・・」
家の塗り替えのために解約した定期貯金は、将来、私が結婚をするために、親が貯めていたものだった。
私、「私の結婚はどうなるの?」
母親、「今から貯めるから、あと10年待って」
10年後の私は37歳、結婚適齢期が過ぎちゃうじゃない!